レラティブストレングス投資月次シグナル解説(2021年6月末基準)
2021年6月末のシグナルは以下の通りとなりました。
1 先進国リート Buy
2 先進国株 Buy
3 新興国株 Buy
4 日本リート Buy
5 日本株 Buy
6 新興国債券 Buy
7 先進国債券 Buy
8 日本債券 Sell
順位はレラティブストレングスが強い順を示しています。
前月末の価格が12ヶ月移動平均を上回っているものが「Buy」、下回っているものが「Sell」と表示されています。
このシグナルの意味を解説します。レラティブストレングス投資では、移動平均シグナルが「Buy」で、かつレラティブストレングス上位2位の資産、つまり先進国株に50%、先進国リートに50%配分するポートフォリオを構築します。
前月と同じポートフォリオなので、今回トレードは発生しませんでした。
先進国リートが1位になりました。先進国株式も2位と上位を維持しています。
あまりに過熱感があるので、次の暴落はいつだろうと考えています。
前回の大きなサイクルのイメージですが、リーマンショックの約10年後にコロナショックがあり、その間に欧州債務危機による中程度の下落が数回ありました。このパターンでいくと、今から10年後くらいに大暴落があり、その間に局所的クレジットクランチによる中程度の下落が数回おきる、ということになります。
しかし、以前と現在では、セーフティーネットの有無という大きな違いがあります。
前回のリーマンショック(2008年終盤)からコロナショック(2020年3月)の間にギリシャショック、欧州債務危機、東日本大震災などによる一時的下落がありました。
当時は、欧州各国の国債や欧州銀行に対するセーフティネットがありませんでした。ギリシャ国債がデフォルト寸前になったり、欧州銀行が破綻しかけたりという危機を経験しながら、少しずつ欧州各国の合意が進み、セーフティーネットが整備されていきました。
リーマンショックで米国金融システムのセーフティーネットが整備され、欧州には欧州債務危機で欧州金融システムのセーフティーネットが整備されました。
ですので、現在の過剰流動性下であっても、米国や欧州発の地域的金融システム危機は起こりにくいかもしれません。
アジアの銀行は、90年代終盤のアジア通貨危機の教訓から、財務安定性と流動性を重視した経営をしています。
一つ心配なのは中国のクレジットの膨張ですが、中国政府がうまく封じ込めるのかもしれません。
震災ですが、日本の地震に対するセーフティーネットが整備されたかどうかは、意見が分かれるところかと思います。
何が引き金になるかはわかりませんが、現在の世界中で過剰に膨張したクレジットは、うまく少しずつしぼむか、破裂するかのどちらかです。いつどうなるかを予測するのはほぼ無理ですが、破裂する可能性があるほど脆弱であるという認識は持っておきたいと思います。
いずれにせよ、レラティブストレングス投資では、愚直にシグナルに従うのみです。
投資は自己責任でお願いします。
※毎月のレラティブストレングス投資シグナル判定をするPython Codeを以下に保存しています(Qiitaに飛びます)。
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※RS投資は、Mebane Faber氏という、ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーが発見した投資手法です。Mebane氏のペーパーを下記記事で紹介しています(ブログ旧館へ飛びます)。