レラティブストレングス投資月次シグナル解説(2021年7月末基準)
2021年7月末のシグナルは以下の通りとなりました。
1 先進国リート Buy
2 先進国株 Buy
3 日本リート Buy
4 日本株 Buy
5 新興国株 Buy
6 新興国債券 Buy
7 先進国債券 Buy
8 日本債券 Buy
順位はレラティブストレングスが強い順を示しています。
前月末の価格が12ヶ月移動平均を上回っているものが「Buy」、下回っているものが「Sell」と表示されています。
このシグナルの意味を解説します。レラティブストレングス投資では、移動平均シグナルが「Buy」で、かつレラティブストレングス上位2位の資産、つまり先進国株に50%、先進国リートに50%配分するポートフォリオを構築します。
前月と同じポートフォリオなので、今回トレードは発生しませんでした。
中国で、アリババ、テンセントなどのIT銘柄が下落しています。中国当局による規制強化が懸念されているためです。
また、教育関連銘柄も急落しています。中国政府は一人っ子政策をやめて子供を複数作ることを奨励していますが、塾などの高い教育費が出生率低下の要因となっています。そこで政府は、塾産業を非営利団体化する方針を決めました。
こういう動向をみると、「中国株じゃなくて、先進国。やっぱり米国株最強」と感じてしまいます。
しかし、中国政府がやろうとしていることは至極真っ当です。大手IT企業がモノポリーとなり、個人の情報や経済活動を牛耳るのを阻止する。高い教育費を抑えて、子供を産み育てやすい環境を作る。
長期的な健全な成長のために、短期的な痛みに耐える政策をとれるのは、中国共産党一党支配制度のメリットかもしれません。
反対に民主主義国では、コロナ感染が拡大しても強制的なロックダウンを国民に命じることができません。過剰流動性が拡大しているのは明らかなのに、金融緩和政策をやめることができません。
有権者や企業の支持を失いたくないがために、目先の心地よさを優先し、長期的な崩壊リスクを放置しています。
今の先進国株高が続けば続くほど、その後の暴落リスクは高まっています。
いずれにせよ、レラティブストレングス投資では、愚直にシグナルに従うのみです。
投資は自己責任でお願いします。
※毎月のレラティブストレングス投資シグナル判定をするPython Codeを以下に保存しています(Qiitaに飛びます)。
※レラティブストレングス投資に辿り着くまでの記事を下記に目次化しています。ご参考になりましたら幸いです(ブログ旧館へ飛びます)。
※RS投資は、Mebane Faber氏という、ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーが発見した投資手法です。Mebane氏のペーパーを下記記事で紹介しています(ブログ旧館へ飛びます)。