レラティブストレングス投資月次シグナル解説(2021年11月末基準)
2021年11月末のシグナルは以下の通りとなりました。
1 先進国リート Buy
2 先進国株 Buy
3 日本リート Buy
4 日本株 Buy
5 先進国債券 Buy
6 新興国株 Sell
7 日本債券 Buy
8 新興国債券 Sell
順位はレラティブストレングスが強い順を示しています。
前月末の価格が12ヶ月移動平均を上回っているものが「Buy」、下回っているものが「Sell」と表示されています。
このシグナルの意味を解説します。レラティブストレングス投資では、移動平均シグナルが「Buy」で、かつレラティブストレングス上位2位の資産、つまり先進国ートに50%、先進国株に50%配分するポートフォリオを構築します。
前月と同じポートフォリオなので、今回トレードは発生しませんでした。
新興国資産がBUYからSELLとなり、日本債券がSELLからBUYとなったのが興味深いです。
コロナウィルスのオミクロン型拡散、FRBパウエル議長の量的緩和前倒し発言がきっかけです。
FRBが緩和縮小
↓
米ドル金利上昇・米ドル上昇
↓
新興国が抱える米ドル建て債務の元本・利子の負担増加
↓
新興国から資金流出
という流れで新興国資産が下落し、リスクオフの動きから日本債券が上昇しました。
2020年序盤のコロナショックの際は、「致死率10%以上」という説も流れるなど、人類の危機かもしれないというパニック状態でした。
しかし、今回のオミクロン型ではそこまでのパニックは起きない雰囲気です。人類の学習と慣れの賜物です。
それよりも、FRBの緩和のほうが金融市場には影響が大きいようです。
世界の中央銀行の緩和政策で、世界中に過剰流動性が蔓延しています。
(「過剰流動性」とは、「お金」を専門家っぽく言いたいときに使う言い回しのことです)
世界にあふれるお金が、リターンを求めてリスク資産につぎ込まれています。
緩和政策が縮小されたとき、お金の逆回転が起きます。今回の新興国資産の下落はその兆候かもしれません。
投資は自己責任でお願いします。
※毎月のレラティブストレングス投資シグナル判定をするPython Codeを以下に保存しています(Qiitaに飛びます)。
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※RS投資は、Mebane Faber氏という、ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーが発見した投資手法です。Mebane氏のペーパーを下記記事で紹介しています(ブログ旧館へ飛びます)。